英語イディオムの考え方 自動詞+副詞(1~2)

英語イディオムの考え方 自動詞+副詞(1)

自動詞は目的語を取りません。副詞は修飾語です。したがって、自動詞+副詞全体で
動詞の働きをしますが、目的語は取りません。

take off( 離陸する)を例にとって、なぜそういう意味になるのか考えてみましょう。
自動詞takeは他動詞takeの目的語「自身」が省略されていて「自身を運ぶ」、副詞off
も前置詞offの目的語「地面」が省略されていて「地面から離れて」。「自身を地面から
離して運ぶ」から「離陸する」となります。

自動詞+副詞のイディオムの中には、元々は他動詞+目的語+前置詞+目的語で、そ
こから他動詞の目的語と前置詞の目的語が省略されたものが含まれます。少しややこ
しいかもしれませんが、ここが理解できれば、他の自動詞+副詞のイディオムにも応
用が利きます。

take offには「突然人気が出る」という意味もあります。飛行機が離陸する様子から人
気が上昇するという抽象的な意味に発展したという過程はわかりやすいと思います。

他動詞+副詞のイディオムtake off ~, take ~ off(~を脱ぐ)も考え方の基本は
同じです。これについてはこちら


英語イディオムの考え方 自動詞+副詞(2)

自動詞+副詞(1)で、自動詞+副詞のイディオムの中には、他動詞+目的語+前置

詞+目的語から他動詞の目的語と前置詞の目的語が省略されたものが含まれると書き

ました。今回も省略を補うと解決できるイディオムを取り上げます。

come to(意識を回復する)は簡単です。自動詞comeは「来る」、副詞toは前置詞to
の目的語oneselfが省略されていて「自身の所に」。この場合の自身とは「正常な状態
の自分」です。「正常な状態の自分の所に来る」から「意識を回復する」。これはcome
to oneselfという省略されない形でも辞書に載っています。

give in(屈服する)になると、少しむずかしくなります。give inから「屈服する」は
なかなか発想しにくいですね。自動詞giveは他動詞giveの目的語oneselfが省略さ
れていて「自身を与える」、副詞inは前置詞inの目的語(自分より強い相手)が省略
されていて「相手の中に」。「自身を相手の中に与える[入れる]」から「屈服する」とな
ります。give inは目的語を直接取れないので、具体的に何に「屈服する」か示すには
前置詞toが必要になります。give in to temptationは「誘惑に屈服する[負ける]」。